「最近テレビの音が大きいと言われる」——その一歩を、機器選びの遠回りにしないために。補聴器は“買って終わり”ではなく“合わせて使う”医療機器。タイプと相談先を先に押さえれば、失敗はぐっと減ります。
結論(早見)
まず三つ。①「集音器」と「補聴器」は別物——補聴器は薬機法上の管理医療機器で、聞こえに合わせて調整できる。集音器は医療機器ではない。②タイプは“聞こえの程度×扱いやすさ”で選ぶ(下表)。③満足度を分けるのは“調整(フィッティング)”。認定補聴器技能者が合わせた人の満足度は64%で、全体の50%より明らかに高い(JapanTrak 2022)。迷ったら補聴器タイプ 判定エンジンで自分の重みで採点を。
タイプ早見表
| タイプ | 向く人 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 耳あな型(オーダー/既製) | 目立たせたくない・軽〜中等度 | 小さく目立たない・電話しやすい | 小型ゆえ操作・電池が細かい/汗に弱め |
| 耳かけ型(RIC含む) | 幅広い程度・初めての人 | 調整幅が広い・扱いやすい・高出力も可 | 眼鏡やマスクと干渉することがある |
| ポケット型 | 手元操作が良い・指先が不自由 | 大きなボタンで操作が簡単・安価な傾向 | コードが邪魔・目立つ |
| (参考)集音器 | — | 安価・手軽 | 医療機器でなく調整前提でない。難聴対応には非推奨 |
もっと深く:失敗しないための要点
集音器に飛びつかない。価格だけ見ると集音器は魅力的ですが、薬機法上の管理医療機器ではなく、聞こえに合わせた調整を前提としていません。日本聴覚医学会も、難聴の人が会話を聞くための機器には補聴器を推奨しています。まずは聞こえの程度を知ることが先です。
「医療費控除」を取りこぼさない。耳鼻咽喉科学会が認定する補聴器相談医を受診し、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」で“治療に直接必要”と証明されれば、購入費用は医療費控除の対象になり得ます(国税庁)。順序は先に受診→後で購入が原則。年金受給者でも対象になり得ます。
片耳より両耳、そして調整。JapanTrak 2022では両耳装用のほうが満足度が高く、認定補聴器技能者がフィッティングした人の満足度は64%。機種の値段より“誰がどう合わせるか”が効きます。
価格の現実。同調査では購入者の約67%が1台10〜30万円。高額=最適ではありません。試聴・貸出期間と返品/再調整の条件を必ず確認しましょう。