電気の比較サイトは「今月の最安」を競う。でも電気料金の正解は毎月変わる——燃料費調整額が毎月改定され、市場連動プランは30分ごとに単価が動くからだ。だから順位の暗記ではなく、跳ねない設計かどうかを見る目を持つほうが強い。
結論(早見)
見る順番は①市場連動かどうか → ②燃料費調整に上限があるか → ③解約金・縛り → ④ポイント・セット割 → ⑤単価表。単価表が最後なのは、そこだけ毎月動くから。自分の重みで採点するならenergy判定エンジンへ。
市場連動と固定単価——「安い」と「跳ねない」は別物
市場連動型(例:Looopでんき スマートタイムONE)はJEPXの卸価格に単価が直結する。太陽光が余る昼間に家事を寄せられる人・EV充電を深夜に回せる人には強力だが、2021年1月の市場高騰では月の電気代が通常の数倍になった世帯がある。一方固定単価は事業者が高騰リスクを吸収する分、平時はやや割高と解釈できる。市場連動型とは・JEPXとはに分解した。
燃料費調整の「上限」——規制料金だけの安全弁
大手電力の従量電灯(規制料金)には燃料費調整に基準価格1.5倍の上限がある。新電力の自由料金には上限がないものが多く、燃料高騰時には「大手より高い新電力」が普通に起きる。燃料費調整額とはで仕組みを噛み砕いた。
主要プレイヤー早見
| 事業者 | 型 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 東京電力EP(従量電灯B) | 規制料金 | 調整額に上限・最後の砦 | 平時は割安ではない |
| Looopでんき | 市場連動 | 基本料0・解約金0・単価が透明 | 高騰リスクを自分で負う |
| 東京ガスの電気 | 固定単価 | ガスセット・母体の安定 | 関東中心 |
| オクトパスエナジー | 固定単価 | 実質再エネ・東京ガス合弁 | — |
| 楽天でんき | 固定単価 | 楽天ポイント経済圏 | 過去に受付停止歴 |
| CDエナジー | 固定単価 | 中部電力×大阪ガス合弁・セット | 関東のみ |
単価の絶対額は毎月・エリアごとに動くため本記事では断定しない。最新は各社公式と判定エンジン(相対評価)で。
もっと深く:あなたはどちら側の人間か
この選択は結局、「リスクを自分で運用するか、プレミアムを払って固定するか」という金融の問いと同型だ。①生活時間を電気の安い時間に寄せられる(在宅・蓄電池・EV)→市場連動の期待値が高い。②使用量が読めない・高騰時に請求が跳ねると困る→固定単価か規制料金。③ポイント経済圏に深く居る→セット・還元で実質を下げる。
よくある誤解
- 「新電力は危ない」
- 2021-22年に撤退が相次いだのは事実だが、母体が大手の合弁(CDエナジー、オクトパス等)と独立系では事情が違う。見るべきは「市場連動か」と「母体」。
- 「基本料金0円なら安い」
- 基本料0円プランは多くが市場連動型。平時は安く見えるが、高騰月のリスクとセット。0円の意味を分解して見る。
- 「一度選んだら終わり」
- ほぼ全プランが解約金なし(例外あり)。スイッチングは検針票1枚・Web10分・工事不要。「跳ねたら戻る」も戦略のうち。