「減塩、減塩」と言われても——結局、1日何グラムまでならいいの? 答えははっきりしている。そして多くの日本人は、その“倍”を食べている。
結論(早見)
WHOの推奨は1日5g未満(食塩相当量)。日本の厚生労働省の目標量は男性7.5g・女性6.5g未満。ところが日本人の平均摂取量は約10g——世界基準も国の目標も大きく超えている。
これだけで何グラム? 身近な食品の塩分
| 食品 | 目安 | 食塩相当量 |
|---|---|---|
| カップ麺(汁まで完食) | 1食 | 約5〜6g |
| 醤油 | 大さじ1 | 約2.6g |
| 梅干し(大) | 1個 | 約2g |
| みそ汁 | 1杯 | 約1.2g |
| ロースハム | 2枚 | 約1g |
| 食パン | 6枚切り1枚 | 約0.7g |
カップ麺1杯の汁を全部飲むと、それだけでWHOの1日上限を超える。麺類は“スープを残す”だけで効果が大きい。
もっと深く:なぜ塩で血圧が上がるのか
塩の正体は塩化ナトリウム。とり過ぎると血液中のナトリウム濃度を薄めようと体が水分をため込み、血液量が増えて血圧が上がる。慢性的な高血圧は、脳卒中・心臓病・腎臓病の最大級のリスク要因だ。減塩は“味気ない我慢”ではなく、将来の血管を守る投資にあたる。
無理なく減らすコツ
全部薄味にする必要はない。効くのは少数の習慣だ。麺類のスープを残す(最大の塩源)、醤油は“かける”より“つける”、出汁・酸味(酢・レモン)・香辛料で塩を減らしても満足感を保つ、そしてカリウムを増やすこと——野菜・果物・いもに多く、ナトリウムの排出を助けて血圧を下げる方向に働く。加工食品・外食が多い人は、まず“見える塩”より“隠れた塩”を意識すると効率がいい。
注意
大量に汗をかくアスリートや、医師から塩分・カリウム制限を指示されている人(腎臓病など)は事情が異なる。極端な制限は自己判断で行わず、持病がある場合は主治医に従うこと。
用語
- 食塩相当量
- 食品に含まれる塩分を食塩の重さに換算した値。ナトリウム量(g)×2.54で求める。栄養表示の基準。
- ナトリウム
- 体の水分量と血圧を左右するミネラル。食塩の主成分で、とり過ぎが血圧上昇の引き金。
- カリウム
- ナトリウムの排出を助け、血圧を下げる方向に働くミネラル。野菜・果物に多い。