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交通事故の慰謝料はいくら?3つの基準と「弁護士特約」の使いどころ

保険会社の提示額は、実は一番低い「自賠責基準」のことが多い。同じケガでも基準で金額は倍近く変わる。仕組みと増額の鍵を、出典つきで。

更新 2026-06-10

#クルマ#慰謝料・損害賠償#保険#法律#交通事故

交通事故でケガをすると、相手の保険会社から慰謝料が提示される。でもその額、実は3つある基準のうち一番低いものかもしれない。同じ通院でも、どの基準で計算するかで金額は倍近く変わる。怖がらせるためではなく、損をしないための地図を。

結論(早見)

慰謝料には自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準(裁判基準)の3段階がある。保険会社が最初に出すのは多くが自賠責〜任意基準。最も高い弁護士基準は、過去の裁判例にもとづく相場で、弁護士が交渉して初めて通ることが多い。自賠責の入通院慰謝料は法令(国の支払基準)で1日4,300円(2020年4月1日以降の事故)と決まっている。

基準誰が使う水準
自賠責基準強制保険の最低補償最も低い(日額4,300円)
任意保険基準各保険会社の社内基準(非公開)自賠責に少し上乗せ程度
弁護士基準(裁判基準)裁判所・弁護士が用いる相場最も高い(過去の判例ベース)
例:むちうちで6か月通院した場合の入通院慰謝料(目安)自賠責基準約52万円任意保険基準約64万円(目安)弁護士基準約89万円同じケガ・同じ通院でも、基準が変わるだけで金額は大きく動く。
金額は症状・通院実日数・等級などで変わる目安です(編集部整理 2026-06。自賠責の日額は国の支払基準にもとづく)。
本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。実際の金額は事故の態様・過失割合・後遺障害等級などで大きく変わります。具体的なケースは弁護士や日弁連交通事故相談センター(無料相談)など専門家にご確認ください。

もっと深く:なぜ3つも基準があるのか

自賠責基準は、すべての車が入る強制保険(自賠責保険)の最低補償。被害者を素早く平等に救済するため、金額は法令(国土交通省・金融庁の支払基準)で機械的に決まる。入通院慰謝料は1日4,300円で、対象日数は「治療期間」と「実通院日数×2」の少ないほうを使う。だから通院がまばらだと、思ったより伸びない。

任意保険基準は、加害者側の保険会社が独自に持つ社内基準。中身は非公開で、一般に自賠責へ少し上乗せした程度。最初の示談提示はこの水準のことが多い。

弁護士基準(裁判基準)は、過去の裁判例の積み重ねから作られた相場で、いわゆる「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)が代表。3つの中で最も高く、裁判をすれば認められやすい水準だが、被害者本人が請求しても保険会社はなかなかこの額を出さない。

増額の鍵は「弁護士費用特約」

弁護士基準に近づけるには弁護士に依頼するのが近道だが、費用が心配——そこで効くのが弁護士費用特約。自分の自動車保険(や火災保険・傷害保険)に付いていれば、弁護士費用を保険会社が負担(一般に上限300万円程度)。等級が下がらないタイプが多く、家族の保険に付いていれば使えることもある。まず自分と家族の保険証券で特約の有無を確認するのが、いちばん割のいい一手。

特約がなくても、増額が見込めるなら着手金無料・成功報酬型の事務所も多い。提示額に署名する前に、一度慰謝料の3基準で自分のケースを当てておくと、損をしにくい。

用語

入通院慰謝料
ケガの治療で入院・通院した精神的苦痛に対する賠償。通院期間と実日数で金額が決まる。
後遺障害慰謝料
治療しても残った障害(後遺障害)に対する慰謝料。認定された等級(1〜14級)で相場が変わる。
過失割合
事故の責任を当事者で割り振った比率。自分の過失分だけ受取額が減る(過失相殺)。
示談
裁判によらず賠償額に合意すること。一度成立すると原則やり直せないため、署名前の確認が重要。

▶ 関連:自動車保険の選び方(弁護士特約のチェックも)

参考文献・出典

  1. 国土交通省・金融庁告示「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」(入通院慰謝料は1日4,300円=2020年4月1日以降の事故). mlit.go.jp(支払基準 PDF)
  2. 公益財団法人 日弁連交通事故相談センター(無料の法律相談、弁護士基準「赤い本」=民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準の発行元). n-tacc.or.jp
  3. 3基準の水準差・むちうち6か月通院の金額イメージ・弁護士費用特約の上限等は編集部整理(2026-06)。実額は事故態様・過失割合・後遺障害等級で変動。最新・個別は一次情報と専門家に確認を。

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