毎月いろんな会社に返している——その状態をひとつにまとめるのが「おまとめローン」。だが、まとめれば必ず得とは限らない。得するのは適用金利が下がるときだけだ。怖がらせるためでなく、賢く選ぶための軸を。
結論(早見)
見るべきは①借換後の実質年率が下がるか ②毎月返済額と総返済額 ③返済期間(延びると総額は増えやすい) ④担保・保証の有無 ⑤手数料。おまとめは総量規制の「顧客に一方的に有利となる借換え」に当たるため、年収の3分の1を超えていても利用できる例外枠だが、金利が下がらない・期間だけ延びるなら一本化しても損になりうる。
判断のための比較軸
| 軸 | なぜ大事 |
|---|---|
| 借換後の実質年率 | これが現状の加重平均金利を下回らなければ、まとめる金銭的メリットは小さい |
| 総返済額 | 月々が下がっても期間が延びれば総額は増える。必ず総額で比較 |
| 返済期間 | 短いほど利息は減る。最長年数だけでなく実際に組む年数で見る |
| 担保・保証 | 不動産担保型は低金利だが住まいを失うリスク。無担保型と区別 |
| 手数料・繰上返済 | 事務手数料や繰上返済の可否で実質コストは変わる |
深掘り:誤解と要点
「まとめれば必ず安くなる」は誤解:金融庁の整理では、総量規制の例外となる借換えは「1か月の負担と総返済額がともに減少し、追加担保・保証がない」ことが想定されている。逆に言えば、総額が減らないおまとめは本来の趣旨から外れる。契約前に「借換後の総返済額<現状の総返済額」かを必ず確認したい。
銀行系か貸金業者か:銀行のおまとめローンは総量規制(貸金業法)の対象外、消費者金融など貸金業者のおまとめは例外貸付として扱われる。いずれも上限金利は利息制限法(元本10万円未満20%、10万〜100万円未満18%、100万円以上15%)の範囲内。現状15〜18%の人が12%前後にできれば効果は大きい。
多重債務でそもそも返済が苦しいなら、まとめる前に債務整理という選択肢も知っておきたい。リボの仕組みでふくらんだ人はリボ払いの落とし穴を、これから借りるならカードローンの選び方も参照。用語はおまとめローンで。
用語
- 総量規制
- 貸金業者からの借入総額を原則年収の3分の1までに制限する仕組み。おまとめは例外。
- 実質年率(実質年利)
- 利息に手数料等を含めた、年あたりの実質的な負担割合。比較はこれで行う。
- 加重平均金利
- 複数債務の金利を元本の大きさで重みづけして平均したもの。借換後はこれを上回らないことが例外の条件。