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年金は何歳からもらうのが得?繰り上げ・繰り下げの損益分岐点(2026)

カギは2つの数字――繰り下げ+0.7%/月、繰り上げ−0.4%/月。あなたの損益分岐点は何歳か、公式の率から出典つきで。

更新 2026-06-10

#金融#お金#年金・老後#税金・控除

「年金は65歳から」は思い込み。実は60歳から75歳まで、1か月単位で受給開始をずらせる。早めれば毎月の額は一生減り、遅らせれば一生増える。問題は――あなたにとって何歳開始が得か。答えは寿命と、たった2つの率で決まる。

結論(早見)

覚えるのはこの2つだけ。繰り下げ=1か月ごとに+0.7%(最大75歳で+84%)繰り上げ=1か月ごとに−0.4%(最大60歳で−24%)。そして損益分岐点=総受給額が逆転する年齢は、繰り下げで受給開始のおよそ12年後、繰り上げで80歳前後。長生きの自信があるほど繰り下げが有利、早く確実に使いたいなら繰り上げ、というのが骨格だ。

−24%基準+42%+84%60歳65歳70歳75歳11.4万15.0万21.3万27.6万
65歳の本来額を月15万円とした場合の、受給開始年齢別の月額イメージ(増減率は日本年金機構の公式値、金額は編集部試算 2026-06)。

受給開始年齢べつ早見表

開始年齢増減率月額イメージ
(65歳=15万)
損益分岐点(目安)
60歳−24%約11.4万円約81歳で総額が逆転(以降は繰上げが不利)
65歳基準15.0万円
70歳+42%約21.3万円約82歳で総額が65歳開始を上回る
75歳+84%約27.6万円約87歳で総額が65歳開始を上回る

増減率は公式値。損益分岐の年齢は税・社会保険料を考えない単純計算で、実際はもう少し後ろにずれる(後述)。


もっと深く:3つの落とし穴

① 「繰り下げ=必ず得」ではない。増えた年金は課税所得になり、住民税・国民健康保険料・介護保険料、医療や介護の自己負担割合の判定にも効いてくる。額面で+84%でも、手取りやコスト増を差し引くと、損益分岐点は単純計算より数年後ろにずれるのが普通だ。

② 繰り上げは取り消せない。いったん減額された率は一生続く。さらに繰り上げ中は障害基礎年金を請求できない、寡婦年金が受けられないなどの制限もある。目先の現金欲しさだけで決めると、後で効いてくる。

③ 在職老齢年金・加給年金に注意。働きながら受け取ると一部停止される場合があり、配偶者がいる人の加給年金は繰り下げ待機中は受け取れない。世帯単位で見ないと損得を読み違える。

結局どう決める?

判断軸はシンプルだ。(1) 健康状態と家系の寿命――平均余命より長生きしそうなら繰り下げ有利。(2) 65歳時点の収入と貯蓄――待機中の生活費を他で賄えるか。(3) 税・保険料の増加――増額が手取りでどれだけ残るか。迷ったら、繰り下げは「請求しないだけ」でいつでも開始でき、しかも65歳時点にさかのぼって一括受給する選択も後から選べる(増額はつかない)。この“後出しできる”柔軟さは繰り下げ側の隠れた強みだ。

用語

繰り下げ受給
受給開始を66〜75歳に遅らせ、月0.7%・最大84%増やす制度。増額は生涯続く。
繰り上げ受給
受給開始を60〜64歳に早め、月0.4%・最大24%減る制度。減額も生涯続く。
損益分岐点
受給開始時期の違いで、累計の受取総額が逆転する年齢。寿命の見立てが判断のカギ。
本記事は情報提供であり、個別の年金・投資・税務の助言ではありません。増減率は公式値ですが、損益分岐は税・社会保険料・在職調整・個別の加入歴で前後します。正確な見込み額は日本年金機構の「ねんきんネット」や年金事務所でご確認ください。関連:iDeCoの受け取りで税金が変わる

参考文献・出典

  1. 日本年金機構「年金の繰下げ受給」(増額率0.7%/月・最大84%、上限75歳). nenkin.go.jp
  2. 日本年金機構「令和4年4月施行 年金制度改正資料(繰上げ・繰下げ関係)」(繰上げ減額率0.4%/月への引下げ、繰下げ上限75歳化). nenkin.go.jp(PDF)
  3. 厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第11 老齢年金の繰下げ受給と繰上げ受給」. mhlw.go.jp(PDF)
  4. 損益分岐点の年齢・月額イメージは上記公式増減率にもとづく編集部試算(税・社会保険料を除く単純計算、2026-06)。

数字は出典つきのスナップショット。評価関数による透明な判定であり、特定製品の推奨ではない。Yohaku — 判定の都市。 ☕ この記事を応援する

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