「卵はコレステロールが高いから1日1個まで」——長く信じられてきたこのルールは、実は科学の更新で揺らいでいる。
結論(早見)
健康な人なら、卵は1日1〜2個でも大きな問題になりにくい、というのが今の主流。米国の食事ガイドライン(2020–2025)は、かつての「コレステロール1日300mg未満」という数値上限を撤廃した。食事で摂るコレステロールが、血中コレステロールに与える影響が当初思われたほど大きくないと分かってきたからだ。ただし、糖尿病の人やLDLが高い人は別。ここは医師と相談を。
もっと深く:なぜ「300mg上限」は消えたのか
カギは、食事で摂るコレステロールの量と、血中のコレステロールがそのまま連動しないこと。多くの人では、食事から取る量が増えると、体(主に肝臓)が自分で作る量を減らして帳尻を合わせる。だから「食べた分だけそのまま血中で増える」わけではない。ただし反応には個人差があり、食事の影響を受けやすいハイパーレスポンダーと呼ばれる人もいる。
本当に効くのは「一緒に何を食べるか」
血中のLDLコレステロールを上げやすいのは、卵そのものよりも、一緒に食べる飽和脂肪酸・トランス脂肪酸のほうだとされる。ベーコン、バターたっぷりの調理、揚げ物——こういった「卵のおとも」のほうが問題になりやすい。同じ卵でも、ゲット・ポーチドなら余計な飽和脂肪を足さない。
注意が必要な人
2型糖尿病・家族性高コレステロール血症・すでにLDLが高い人では、卵の多めの摂取と心血管リスクの関連を示す研究もある。集団によって結果が割れるため、一律に「何個でもOK」とは言えない。持病がある人は、自分の数値を見ながら医師と決めるのが安全だ。
用語
- 食事性コレステロール
- 食べ物から摂るコレステロール。多くの人では体が生産量を調整し、血中値への影響は限定的。
- LDLコレステロール
- いわゆる「悪玉」。高いと動脈硬化・心血管病のリスクと関連する。
- ハイパーレスポンダー
- 食事のコレステロールに血中値が敏感に反応しやすい体質の人。
- 飽和脂肪酸
- 肉の脂・バター等に多い脂肪。卵そのものよりも血中LDLを上げやすいとされる。
※本記事は一般的な情報提供であり、医療アドバイスではありません。持病(糖尿病・脂質異常症など)がある方や数値が気になる方は、自己判断せず医師にご相談ください。