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遺言書は「自筆」と「公正証書」どっち?失敗しない選び方

確実性なら公正証書、手軽さなら自筆+法務局保管。費用・検認・無効リスクで分かれる。出典つきで早わかり。

更新 2026-06-14

#相続#法律#生活#お金#遺言

「遺言なんてまだ早い」——そう思っているうちに、残された家族がもめる。遺言書には主に二つの形があり、どちらを選ぶかで“確実さ”と“手間・費用”が大きく変わる。怖がらせるためでなく、賢く備えるための地図を。

結論(早見)

ざっくり言えば、確実性・もめ防止・財産が大きい→公正証書遺言手軽さ・費用を抑えたい・内容が単純→自筆証書遺言+法務局の保管制度。最大の分かれ目は「無効になりにくさ」と「家庭裁判所の検認が要るか」。自筆でも、2020年7月開始の法務局の保管制度を使えば検認が不要になり、紛失・改ざんも防げる。

項目自筆証書(+法務局保管)公正証書
作る人本人が全文を自書(財産目録はPC可・各頁に署名押印)公証人が作成(本人は口述)
費用保管申請3,900円(保管制度利用時)財産額に応じ数万円〜(公証人手数料令で法定)
証人不要証人2人が必要
家裁の検認保管制度を使えば不要/使わなければ必要不要
無効リスク形式不備で無効になりやすい専門家関与で低い
紛失・改ざん保管制度で防げる(自宅保管はリスク大)原本を公証役場が保管=安全
向く人内容が単純・費用を抑えたい人財産が大きい・もめそう・確実にしたい人

深掘り:失敗しない選び方

自筆証書の落とし穴:民法968条は「全文・日付・氏名を自書し押印」を求める。パソコンで全文を打つと無効。日付が「2026年6月吉日」のように特定できないのも無効。財産目録だけはPCや通帳コピーで作れるが、各ページに署名押印が要る。こうした不備での無効事故が多いのが自筆の弱点だ。

法務局の保管制度が“自筆の弱点”を半分つぶす:法務局(遺言書保管所)に預けると、紛失・改ざん・隠匿を防げ、相続開始後の検認も不要になる。手数料は保管申請1件3,900円と手頃。ただし、制度は形式面の最低限しかチェックせず、内容が有効かまでは保証しない点に注意。

公正証書の強み公正証書遺言は公証人が関与して作成し、原本を公証役場が保管する。無効になりにくく検認も不要で、もっとも確実。費用は遺(贈)与する財産額に応じて決まり、相続人ごとに計算したうえで遺言加算が乗る。財産が大きい・相続人が多い・もめる可能性があるなら、この確実性は安い保険になりうる。

どちらでも超重要:遺留分。配偶者や子などには法律上の最低取り分=遺留分があり、遺言でも完全には奪えない。「全部を一人に」と書いても、他の相続人から遺留分侵害額を請求されうる。誰が法定相続人かを押さえ、遺留分に配慮した配分にしておくのが、結局いちばんもめない。

免責:本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事情や最適な方式は、弁護士・司法書士・公証人など専門家にご確認ください。制度内容・手数料は改正されることがあるため、最新は必ず一次情報(法務省・日本公証人連合会・e-Gov法令)でご確認を。

用語

検認
家庭裁判所が遺言書の存在・形状を確認する手続き。公正証書と、法務局に保管した自筆証書では不要。
遺留分
一定の相続人に保障される最低限の取り分。遺言でも奪えない。

関連:相続税はいくらかかる生前贈与の使いどころ相続放棄の判断

参考文献・出典

  1. 法務省「自筆証書遺言書保管制度の手数料一覧」(保管申請1件3,900円ほか). moj.go.jp/MINJI/minji06_00010.html
  2. 日本公証人連合会「12 手数料」(公正証書遺言の公証人手数料・遺言加算). koshonin.gr.jp/notary/ow12
  3. 民法 第968条(自筆証書遺言)・第969条(公正証書遺言)・第1042条(遺留分). e-Gov法令検索 laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

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