ローンや分割払いの契約では、債務者は「期日までは払わなくてよい」という利益を持ちます。これを期限の利益といい、民法上は債務者のためにあると推定されます(民法136条)。破産・担保の滅失・担保提供義務違反などではこれを主張できなくなると定められています(民法137条)。実務ではさらに、契約書の「期限の利益喪失条項」で、一定回数・一定期間の滞納などを引き金として定めるのが一般的です。
住宅ローンでこれが起きると、月々の返済額ではなく残高全額を直ちに請求されます。一括で払える人はほとんどいないため、次に保証会社が銀行へ肩代わり(代位弁済)し、以後は保証会社が請求者として担保不動産の競売へ進む——というのが典型的な流れ。つまりここが、「返済の話」が「回収の話」に変わる分水嶺です。
逆に言えば、喪失前なら使える手が多い。住宅金融支援機構の返済方法変更(期間延長・元金据置)は手数料無料で、早い段階ほど選択肢が残ります。
本項は情報提供であり法律相談ではありません。喪失の要件は契約条項で異なります。契約書と金融機関への確認を。