住宅ローンを滞納し、売ってもローンを完済できない状態(いわゆるオーバーローン)では、本来は抵当権が外せず売却が成立しません。そこで抵当権者(銀行・保証会社など)に「この価格なら抵当権を外してよい」と同意してもらい、通常の不動産売買として市場で売るのが任意売却です。
裁判所主導の競売と対比されます。競売は民事執行法にもとづく法定手続で、差押え→調査→期間入札→開札と進みます。任意売却は「普通の売り物件」として内覧を経て売るため、価格や引越し時期を交渉できる余地が大きい一方、開札日までに話をまとめなければならないという時間制限があります。
重要な誤解として、任意売却しても残債は消えません。日本の住宅ローンは通常ノンリコースではなく、売却代金で足りなかった分の返済義務は残ります。残債の扱い(分割の条件など)を決めるのはあくまで債権者であり、業者が保証できるものではありません。
なお、滞納前・滞納直後の段階であれば、住宅金融支援機構などの返済方法変更(返済期間の延長・元金据置)で売らずに済む可能性があり、手続に手数料はかかりません。任意売却を検討する前に、まずこちらを当たるのが順番です。
本項は情報提供であり法律相談ではありません。具体的な判断は弁護士等の専門家と金融機関へご確認ください。