家計を支える人が亡くなったとき、残された家族が受け取れるのが遺族年金。「うちはいくら?」の答えは、亡くなった人の働き方(国民年金か厚生年金か)と、子どもの有無でほぼ決まる。
結論(早見)
| 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
|---|---|---|
| 誰の制度? | 国民年金(自営業なども共通) | 厚生年金(会社員・公務員) |
| もらえる人 | 「18歳年度末までの子」がいる配偶者、または子 | 配偶者・子など(子がいなくても対象になりうる) |
| 年額の目安 | 約83万円+子の加算(第1・2子 各約24万円) | 亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3 |
会社員・公務員の遺族は両方が重なって支給されることが多い。金額は2025年度(令和7年度)・昭和31年4月2日以後生まれの額で、毎年度改定される。
深掘り①:遺族基礎年金は「子がいるか」がすべて
遺族基礎年金がもらえるのは、18歳年度末(=高校卒業)までの子がいる間だけ。年額は83万1,700円に、子の加算(第1・2子 各23万9,300円、第3子以降 各7万9,800円)を上乗せ(いずれも令和7年度)。子が育ちきると支給は終わる。子のない配偶者はもらえない——ここが生命保険で備えるべき穴になる。
深掘り②:遺族厚生年金は「報酬比例の4分の3」
ベースは亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分。若くして亡くなり加入期間が短くても、300月(25年)加入したとみなして計算する救済がある。平均標準報酬額30万円なら年約37万円が目安。また、40〜65歳の子のない妻には中高齢寡婦加算(年62万3,800円・令和7年度)が上乗せされる場合がある。
深掘り③:2028年4月から大きく変わる
2025年に成立した年金制度改正法で、子のない60歳未満の配偶者への遺族厚生年金は、男女とも原則5年間の有期給付に変わる(男性は2028年4月から。女性は影響が大きいため20年かけて段階的に)。有期給付には新たな加算が上乗せされ、額は現行の約1.3倍。障害がある人や収入が十分でない人には継続受給の仕組みも用意される。
65歳からは「自分の年金」との調整
65歳以降は自分の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金は差額分のみ支給。「両方まるごと」にはならない。老後の受け取り設計は年金は何歳からもらうべきか、遺族年金で足りない分の備えは生命保険はいくら必要かが参考になる。
用語
- 報酬比例部分
- 現役時代の給与水準と加入期間に比例して決まる厚生年金の部分。遺族厚生年金はこの4分の3。
- 300月みなし
- 加入25年未満で亡くなっても300月加入とみなして計算する仕組み。若い遺族を守る救済措置。
- 有期給付
- 2028年4月からの改正で導入される「原則5年間」の支給方式。加算により額は約1.3倍になる。