フッ素樹脂(PTFE)は常温では極めて安定な物質だが、高温にすると分解し、ガスを出す。このガスを吸うと、数時間後に発熱・悪寒・頭痛・胸の圧迫感といったインフルエンザ様の症状が出ることがある。これがポリマーヒューム熱(polymer fume fever)で、症状はふつう1〜2日で自然に治まる。
臨床の総説では、おおむね300〜450℃の加熱で生じる分解生成物が原因とされ、それ以上の温度域ではより有害な分解生成物が生じうるとされる。フライパンの「空焼き」で問題になるのはこのためで、多くのメーカーが強火の空焼きを禁じている。鳥類は人よりはるかに感受性が高く、キッチンの近くで小鳥を飼っている家庭ではとくに注意される。
通常の調理(油や食材が入っている状態)では鍋の温度は油の発煙点前後で頭打ちになるため、この温度域には届きにくい。危ないのは中身が空のまま強火にかけて忘れるケース。
これは医療アドバイスではない。加熱後に発熱や息苦しさが続く場合は受診を。